みんなが知らない自転車塗装の世界。Swampさんにあれこれ質問してみました。


ご存知の方も多いと思いますが、Above Bike Storeのペイント部門はSwampさんによる、Swamp Thingsが担当しています。 クリア塗装されたフレームのリペイントの依頼がありまして、今回、その様子を撮影してみました。

作業を見ていて聞きたい質問がいくつかあったので、のちほど聞いてみたいと思います。 それでは、クリア塗装の剥離、サンドブラスト、プライマー吹きの模様をご覧ください。



強力な剥離剤を塗っていきます。





塗ってすぐに塗装が剥離剤に反応し、シュワシュワと音を立てています。

BB周りのようなパイプの集合部は特に念入りに塗ります。



浮き上がった塗装を金属ヘラや金属ブラシでこそぎ落とします。



サンドブラストでサビを落としつつ、パイプの集合部やエンドの塗装もしっかり落とします。





これがスチールフレームの塗装を完全に落とし切った状態。

この状態になってようやくプライマー作業に移ります。






プライマーを濾して、ムラなく塗れるよう一定のスピードで、エアスプレーを使って吹き付けていきます。







Q.塗ってすぐに反応があったのはクリア塗装だから?


クリア塗装の場合だと、プライマーやサビ止めの類を塗っていないので、すぐに剥がれてくれるようです。 SURLYのフレームだとあそこまで簡単には剥がれません。 塗装もさることながら、その下のEDコーティングが強力に密着しているので、剥離剤だけで落とし切るのは難しく、 新車の状態からリペイントされる場合、基本的には上塗り塗装で承っています。

剥離の難易度は塗装方法だったり、自転車が置かれていた環境と温度にも左右されます。


Q.サビはどうやって落としていますか?

表面に出ている軽いサビはヤスリで落とし、サビの進行を止めるケミカルを吹き付けます。 黒サビに変えて進行を食い止める特殊な薬品を使うことも。

フレームの内側に出てしまったサビも薬品で対応できます。

ヤスリで落とせないサビには、サンドブラストで対処しています。

防錆スプレーを定期的に吹いておけば、致命的なサビにはなりづらいというのがSwampさんの見解。


Q.フィルターを通すのはホコリを取るため?


ホコリの他にも塗料が固まって固形物になっていたりするので、ストレーナーと呼ばれるフィルターを通して不純物を取り除きます。

プライマーだけに限らず本塗装のときも使うし、別の色を吹くたびに必ず濾過し、一度使ったストレーナーを使いまわすことはありません。


Q.そもそもプライマーってなんのためにやる作業?

プライマーは、サビ止めの役割と上から塗る塗料の食いつきを良くする役割を果たします。


Q.プライマーコートってグレーじゃないとダメなの?


ホワイトやブラックもありますし、中には塗料を混ぜて使えるプライマーもあります。

とはいえ頻繁・大量に使うものでもないし、3色用意せずとも中間色のグレーがあれば事足ります。

黒いプライマーの上に明るい色を乗せると暗く濁った色になってしまったり、下地の色が影響してきます。

蛍光塗料の場合、プライマーの上に白い塗料で塗ってから蛍光色を塗ります。 Q.フレームペイントの下準備で他にやっていることは?

生のまま塗料を乗せるとサビが出やすいので、下準備としてあらかじめ酸化させる工程があります。 ロウフィニッシュはプライマーを塗ることができませんが、この下処理をおこなっておくことでサビづらくなります。 さらに酸化処理をしておくと、塗料が乗りやすくなるよう、艶やかな表面をわざと荒らすことができます。 ロウフィニッシュのフレームにサビが出るのはプライマーコートができないから、というのが理由。

Steel EraやMUDMANに限らず、ロウフィニッシュ仕上げのフレームはみなサビが出ます。 サビによる経年変化もひとつの楽しみ方としてご理解ください。



作業や質問についてはYouTubeチャンネル:Above Bike Visionsにてさらに詳しくご覧いただけます。



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